ニンニクは、思っている以上にとても繊細で、追肥の良し悪しで成長や玉の大きさが決まってしまいます。
良かれと思ってあげた肥料が逆効果になる場合もあり、枯れてしまったり、病気で腐ってしまう事も良くあります。
そこで今回は、ニンニク栽培「追肥のコツ」について、初心者の方にも分かるように解説していきます。
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豆知識

2月になり少しずつ暖かくなってきて、順調に生長していれば「もう新芽が出てきている」と言う方もいらっしゃいますし、
寒い地域の方であれば、あまり生長していなくて、まだ、株も小さい。と言う方もいらっしゃると思います。
特に「葉っぱの先端部分が黄色くなってしまっている」と言う方も多いかもしれませんが、これは寒さによる生理現象です。

決して病気になっているわけではないので、
心配する必要はありませんよ。
中心の葉っぱが根元から枯れてしまっている。と言う状況でなければ、この時期ではおおむね順調に生長していると言えますので、ひとまず一安心です。
3月以降のニンニクは一気に成長してきます。成長に合わせてしっかりお世話をしてあげれば、ニンニクも元気に答えてくれて、立派なニンニクが収穫できるようになります。
追肥の大事なタイミング
「大きさを決める」と言っても良い、この2月~3月にかけての追肥のタイミングは、
「株の中心から新しい葉っぱが出てきた頃」に行うのがポイントです。

ニンニクは寒さに強い植物ですので、いっけん、枯れているような状態に見えてもしっかり生長をしています。
地域差もありますが、中間地を基準にお話しすると、ニンニクは、2月の中旬ごろになってくると、「ぐんっ」と生長のスイッチが入ります。
これまで、寒い冬を乗り越えるために「上に」生長するのではなく、土の中で「根っこ」を張る。「下に」しっかり根っこを張りながら春が来るのを待っています。

寒い日が続いている年ですと、3月の中旬ごろにならないと、生長のスイッチが入らないこともありますが、
日中の温度が上がってきて暖かくなってくると、ニンニクは「上に生長しよう」とぐんっと上に伸びてきます。
ここからが!ニンニク栽培の
大事なポイントです💞
葉っぱが上に、大きく生長するためには十分な栄養が必要です。このタイミングを見極めて追肥をしてあげる事が、ニンニクを巨大化させるためには本当に重要になります。
葉っぱが伸びきってしまってから、慌てて追肥をしても効果が薄い。小さなニンニクしか収穫できない。と言う訳ですね。
普段の様子を観察し「新しい葉っぱが真ん中から出てきたタイミング」このタイミングで行ってあげるのが、ニンニクにとってベストなタイミングです。
あまり神経質になる必要はありませんが、地域によってこのベストなタイミングが変わってきますので、覚えておいてくださいね。
追肥のやり方

使う肥料は、一般的な化成肥料でもかまいませんが、ポコずブログでは、窒素・リン酸・カリがすべて「8」と書かれている「8-8-8」という肥料がおすすめです。
あらゆる植物に使うことが出来る万能な肥料で、初心者の方でも扱いやすい肥料です。
肥料の与え方のポイントは?
株間に、ピンポイントに与えるのがオススメだよ!
この2月~3月の時期は、葉っぱが生長していますので、葉っぱの間に肥料が入り込んでしまう可能性があります。そうなってしまうと、肥料やけし葉っぱが変色してしまう事があります。

ですので、この時期の追肥は「株間にピンポイントで与える」やり方がおすすめです。
与える量は、1㎡あたり50gが目安で、手のひらで持てる一掴みの量がだいたい50gぐらいです。これを株と株の間にまいていきます。

「そんなに多く育てないよ」と言う方は!
プランターの場合は、1株ずつ株元に追肥をするやり方もあります。目安の量は1株あたり3~5gほどで、3本の指を使って持てる量がだいたい3~5gほどです。
マルチの上から撒く場合は、上から見た時に均等にバランスよく株にかかっていれば大丈夫です。マルチの上に肥料が残っていたとしても、風や雨によって自然に株元に寄っていきます。
追肥をする時の注意点
追肥を効果的に行うためには!
気を付けて欲しい「注意点」があります。
化成肥料は、雨などの水分によって溶けてニンニクに栄養がいきわたります。
ですので、「雨の日や雨が降った後に追肥をするのがよさそう!」と思うかもしれませんが、「雨の日」や「雨の日の直後」は追肥をしない方が良いと思います。

どうしてなの?
それはね!
葉っぱが水滴などで濡れていると、化成肥料が粒状だったとしても少量の粉がかかってしまい、葉っぱが病気になってしまう事もあります。
また、土が過剰に濡れていると、栄養分が上手く行き渡らないこともあります。
そのため、天気のいい日。葉っぱや株が濡れていないときを見計らって行うのがポイントです。
ちょっといいかな、ポコずさん!
「雨の直後の追肥は良くない」と言う事は、逆に言うと、雨が長く降っていないタイミングで与えてあげた方が良い。という事だよね!
と感じた方もいらっしゃると思います。特に、2月になると雨がなかなか降らない。という地域にお住まいの方も多いと思います。
仮に、1か月以上雨が降っていない状態が続いたとすると、与えた肥料が溶けずに株元に残ってしまい、根っこまで浸透しない。
せっかく追肥をしたのにニンニクが全然大きくならない!なんてこともありえます。
効率よく肥料を吸収させるポイント

効率よく栄養分を吸収させるためには、適度に土が湿っている事がポイントです。
長い間、雨が降っていないような状態でしたら、肥料を与えた後に「じょうろ」で水を与えてあげる。や、肥料を与える1日~2日前にたっぷりと土を湿らせておく。と言うのがおすすめです。
肥料を与えたのに、葉っぱが黄色くなっている。と言う場合は、水不足によって葉っぱが栄養を吸収できていないサイン。
と言う事もありますので、注意してくださいね。
ニンニクの止め肥とは?
ここで、皆さんに!
大事なお話があります。
ニンニクには「止め肥え(とめごえ)」という物があります。2月の半ば~下旬にかけて「新しい葉っぱが出てきた頃のタイミングで追肥をする」とお伝えしましたが、
順調にいけば、追肥をした後のニンニクは「どんどん」と生長していきます。

ここで「もっとたくさんの肥料をあげれば、さらに大きく生長してくれるはず!」と思って、その後も肥料を与えてしまうと、
病気になりやすくなってしまったり、逆に、生長を妨げてしまう可能性もあります。
具体的には、
1つ目、収穫後の品質維持
適切なタイミングで止め肥を行わないと、収穫後のニンニクが腐りやすくなり、貯蔵性が低下してしまいます。

2つ目、生育障害の予防
5月のニンニクの玉が大きくなる肥大期に、窒素肥料が多く残っていると、玉割れなどの生育障害が起きる可能性があります。

これは悲しいね。。。
そうならないためにも!
2月の半ば~3月上旬に追肥を行ったら「これ以上は追肥をしない」
つまり、「止め肥をする」と言うのが、美味しいニンニクを収穫する大事なポイントです。
追肥が遅れるデメリット
大きくて美味しいニンニクを収穫するためには、適した量を適したタイミングで与えてあげる事が非常に重要です。
ここで、追肥のタイミングが遅れてしまったら、いったい、どんなデメリットがあるのか?についてもご紹介していきます。

春先の葉っぱが一気に大きくなる増大期に、十分な栄養を補給することができずに、株自体が大きく育たずに成長していきます。
そうなってしまうと、ニンニクの玉が大きくなる3月下旬~4月の肥大期に、光合成による十分な栄養が供給されなくなり、玉の肥大が悪くなります。
つまり、小さなニンニクしか収穫できなかった。と言う事が起こります。

追肥のタイミングが大幅に遅れてしまうと、収穫後のニンニクが腐りやすくなったり、貯蔵性が低下し、玉割れなどの生育障害が起きてしまいます。
追肥のタイミングは、地域や栽培方法によって異なりますが、一般的には「2月〜3月頃が追肥のタイミング」とされています。これを1つの目安とし、「葉っぱの中心から新しい小さな葉っぱが出てきた頃」

暖かくなってきて、株の中心部分から、新しい芽が伸び始めてきた頃が、「ニンニクがこれから成長を始めますよ」と言う合図になります。
このタイミングで追肥をしてあげる事ができれば、ニンニクも期待に応えてくれて、きっと大きく成長してくれますよ♪
国産ニンニクは高い?
ちなみに、余談ですが!
ニンニク栽培って難しいですよね。特に、大きなニンニクを育てるのは、家庭菜園では本当に大変だと思います。
スーパーで並んでいる大きいサイズのニンニクを見ると、「こんなに国産のニンニクって高いの!」とびっくりしますが、

家に帰って自分の育てたニンニクを見ると、こんだけ時間と手間をかけたニンニクを農家さんは、「あの大きさで、あの値段で販売できるのは、どんだけなんだよ!」と感心してしまいます。
やっぱり、「日本の農家はすげーな」と感じる今日この頃でした。
芽かき作業
最後に!
大きなニンニクを収穫する秘訣だよ💞
3月~4月にかけて、ニンニクの株がしっかりしてくると、株の中心部分から「軸」みたいな太い茎「ニンニクの芽」という物が出てきます。
ニンニクの芽の役割は、子孫を残そうと花を咲かせタネを付けます。

この、ニンニクの芽を「そのまま」にしてしまうと、、、
ニンニクの玉の肥大に使うはずだった栄養が、優先的に花や、タネを付けるのに使われてしまい、大きなニンニクが収穫できなかった。なんてことになってしまいます。
タマネギと違ってニンニクは、必ず「トウ立ち」株の中心から「軸」みたいな物が出てきますので、忘れずに摘んでくださいね。
ニンニクの芽を摘む際の注意点や、元気に育てる「春になったらやって欲しい5つの管理」は、下記のリンクの動画にまとめてあります。
まとめ
暖かくなってくる3月頃までは、追肥をしてもすぐには生長しないので、「追肥をしたのに変化がないな」と心配になりますよね。
ですが!焦らずに様子を見守ってあげてください。

僕が初めて育てたニンニクも、
「なかなか、大きくならない」と、慌てて追加の追肥をしてしまい、
その後、病気になってしまい「まったく収穫できなかった」という悲しい経験があります💦
ですので!皆さんは、適切なタイミングで適切な量の追肥を行って、大きくて美味しいニンニクが収穫できるようになってくださいね。
今後も、「収穫までに必要なお世話」についても記事をアップしていきますので、お体には気を付けて!これからも一緒に家庭菜園を楽しんでいきましょうね♪

参考動画
【ニンニク栽培】春に絶対にやって欲しい5つの秘策♪
これはCTAサンプルです。
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