夏の家庭菜園の定番といえば、ミニトマト。
見た目もかわいくて、お弁当やサラダに添えるのにぴったりです。
育てやすいと言われるミニトマトですが…
- わき芽を放置してジャングルのようになってしまった
- 花が咲いても実がつかなかった
など、失敗してしまうこともあります。
そこで本記事では、ミニトマトの植え付けから収穫まで、丁寧に解説します。
ベランダや庭の片隅でも育てられるから、ぜひ参考にしてみてね!
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初心者におすすめ!プランターでも育つミニトマトの歴史
ミニトマトは、あの可愛らしい見た目とは裏腹に、とても歴史の深い野菜です。
原産地は南アメリカのアンデス山脈周辺で、紀元前からすでに栽培されていたと言われています。
日本には江戸時代の終わりに伝わり、当時は「赤なす」と呼ばれ、あまり人気がなかったそうです。
ところが昭和30年代、甘くて食べやすい品種が登場してからは、お弁当やサラダの定番として大ブームになりました。
見た目もかわいいし、美味しいから大好き!
最近では、赤だけでなく黄色やオレンジ、しま模様のある品種なども増え、家庭菜園でも人気が上昇しています。
プランターなど狭いスペースでも育てられるため、マンション住まいの方にも挑戦しやすい野菜です。
初心者向けミニトマトの育て方:苗選び
ミニトマトの栽培で、重要なポイントの1つに「苗選び」があげられます。いい苗を選べるかどうかで、その後の成長や実のつき方が変わってくると言っても過言ではありません。
茎が太いものを選ぶ
1番大事なのが、「茎が太くてしっかりしているもの」を選ぶことです。
ひょろっと細くて頼りない苗よりも、ずんぐりむっくりとした力強い茎の方が、風や病気にも強く元気に育ちますよ。
葉が濃い緑色のものを選ぶ
濃い緑色でツヤがある葉っぱは、健康の証です。
黄色がかっていたり、虫食いがある苗は避けた方が無難です。
また、双葉がまだ残っているものも、若くて元気な証拠です。
節の間隔が狭いものを選ぶ
節の間隔が長い苗は、光を求めて徒長していることが多く、あまり良い苗とは言えません。
節と節の間が詰まっている苗を選びましょう。
蕾がついているものを選ぶ
小さな蕾がついている苗は、苗が植え付けに1番適したタイミングだとも言われています。
同じ品種の苗でも、人間と同じように1本ずつに個性があります。ついつい見た目の大きさだけで選びがちですが、これらを確認するだけでも、失敗のリスクをぐんっと減らすことができますよ。
初心者向けミニトマトの育て方:植え付けの準備
植え付けに必要な物
- スコップ
- 支柱
- 麻紐
- ジョウロ
これだけあれば、畑やプランターなどで基本的な作業が進められます。
プランターで育てる方は、深さ30cm以上のプランターがおすすめだよ!
ミニトマトは地中に深く根を張りますので、大きめの容器を準備することで大きく育ってくれます。
土は野菜用培養土がおすすめ
土は、野菜用培養土を用意するのがおすすめです。
培養土にはあらかじめ肥料分が含まれているため、初心者の方でも失敗しにくくなります。
植え付けは4月下旬から5月上旬ごろ
植え付けに適したベストなタイミングは、最低気温が12~13℃を安定して超える頃。
目安としては、地域にもよりますが4月下旬から5月上旬ごろが最適です。
日当たりの良い場所に植える
ミニトマトは太陽の光が大好きな野菜ですので、日当たりの良い場所を選んであげる事も大切です。
日照不足になってしまうと、花が咲いても実が付かなかったり、味も薄くなってしまいますので注意してください。
初心者向けミニトマトの育て方:植え付け
苗に水を与えておく
苗を植え付けるときは、植える2時間前に苗にたっぷりと水をあげておきましょう。
根が活発になり、根の活着が良くなります。
ポットから苗を取り出すときは優しく
ポットから苗を取り出すときは、無理に引っ張ってしまうと根がちぎれてしまいます。
逆さにし、ポットの側面を軽く押して、手のひらで苗を支えるようにして取り出すと、根を傷めずに取り出す事ができますよ。
苗の根鉢が入るくらいの穴を掘る
苗を植えるために、根鉢がすっぽり入るくらいの深さの穴を掘ります。
穴が浅すぎてしまうと根が露出しやすくなり、逆に、深すぎてしまうと根が酸欠状態になる恐れもありますので、ポットの土の高さと同じ高さになるように植え付けてあげると上手にできます。
植え付け後は軽く土を押さえる
植え付け後は、軽く手で土を押さえてあげる事で、根にしっかりと土が密着し、安定しやすくなります。
最後に、たっぷりと水をあげて、根と土をしっかりとなじませてあげれば、 植え付け作業は完璧!
初心者向けミニトマトの育て方:支柱立て
ミニトマトは、育っていくうちに茎がどんどん伸びていきます。支柱を立ててあげないと、風で倒れてしまったり、実(み)や枝の重みで茎が折れてしまうこともあります。
支柱は、苗の5cmほど離れた位置に、深くしっかりと差し込んでください。
浅くしてしまうと、強風や水やりのたびにグラついてしまいます。
柱ごと苗が倒れてしまう事もあるから注意してね!
初心者向けミニトマトの育て方:誘引
誘引とは、苗と支柱を麻(あさ)ひもなどで軽く結んで支えてあげる作業のことで、結ぶ時は“8の字”で結んでください。
あまりきつく結んでしまうと、苗が成長したときに、ひもで茎を痛めてしまうので、苗と支柱の間に、少しゆとりをもたせて結んであげるのがおすすめです。
成長が盛んな時期は、こまめに誘引をしていきながら育てて行くと、しっかりと成長してくれます。
初心者向けミニトマトの育て方:わき芽摘み
ミニトマトを育てる上で、1番大事だと言っても過言ではない作業。それが、「わき芽摘み」です。
茎と葉っぱの付け根から出てくる小さな芽のこと。
このわき芽を放っておいてしまうと、「どんどん、どんどん」伸びていき、株全体がジャングルのようになってしまいます。
一見、たくましく育っているようにも見えますが、本来実に行くはずの栄養がわき芽に奪われてしまい、実が付きにくくなってしまったり、全体的に甘みの少ないトマトになってしまいます。
こうなってしまうと、風通しも悪くなり、病気や害虫も発生しやすくなります。
わき芽摘みのタイミング
わき芽摘みのタイミングは、「週に1回」わき芽が5cm程度に伸びた頃に摘み取るのがおすすめです。
わき芽摘みの方法
摘み取り方は簡単で、人差し指と親指で軽くつまんで、くるっとひねるだけ。
特別な道具はいりませんが、うっかり、わき芽が大きく成長してしまった場合は、ハサミを使ってあげるのが安心です。
ハサミは、そのまま使いまわしてしまうと病原菌がうつってしまう可能性があるから、消毒してから使ってね!
初心者向けミニトマトの育て方:水やり
ミニトマトは、水やりの加減がとても重要な野菜です。
ついやりすぎてしまうと、味がぼやけてしまったり、根腐れの原因になることがあります
基本は、「土の表面が乾いたら、たっぷり水をあげる」。
この“メリハリのある水やり”が、甘くて濃い味のミニトマトを育てる秘訣です。
プランターで育てるときは、毎朝1回水やりをするといいよ!
特に真夏の暑い時期は、プランターは土の量も少なく乾きやすいですので、夕方にもう一度水やりをしてあげると、夏バテをせずに長く収穫できるようになります。
水をあげるときは、茎や葉っぱの上からではなく、株元の土にやさしく与えてあげるのがポイントです。
葉っぱに水がかかってしまうと、湿気がこもりやすくなり、灰色かび病や葉かび病などの病気が発生しやすくなります。
初心者向けミニトマトの育て方:肥料
追肥のタイミング
トマトは成長とともに、ぐんぐん肥料を消費していきます。
そのため、成長に合わせて追肥をあげることが大切です。
最初の追肥は、一番果(いちばんか)と言って、最初の実が大きくなり始めた頃に与えてあげるのが、ベストなタイミングです。
その後は、2週間に1回を目安に、定期的に追肥をしてあげる事で、次々と美味しい実を収穫する事ができます。
肥料のあげすぎに注意
元気に育ってほしいと、ついつい肥料をあげたくなってしまいますが、栄養分が多すぎると葉っぱや茎ばかりが大きくなり、実が付かなくなる「つるぼけ」と呼ばれる症状や、病気や害虫の被害にもあいやすくなってしまいます。
人間でも、過剰に食べ過ぎてしまうと、メタボになったり、体調を崩したりするよね。
ちなみに、トマトがメタボになると、「茎が急に太くなる」や「葉っぱのギザギザが鋭くなる」「葉っぱがくるんと丸まってくる」などの症状が現れます。
もしも、こういった症状が見られたら、一度追肥をストップするか、水やりを多めにして土の中の肥料を追い出してあげる対策が有効です。
初心者向けミニトマトの育て方:摘芯
ミニトマトは順調に育っていくと、どんどん主となる茎が伸びていきます。ここで、あえて茎の先端をカットする「摘芯(てきしん)」という作業を行います。
この先端を切ってあげることで、それ以上茎が伸びるのを止め、栄養を実(み)に集中させることができます。
- 大きくて甘いミニトマトが収穫できる
- 風で倒れるのを防ぐ
- 必要以上に葉が茂るの防ぐ
- 全体に太陽の光が届くようにする
摘芯のタイミングは、茎の高さが支柱と同じくらいになった頃が1つの目安で、わき芽と同じようにハサミを使うときは、消毒をしてから使うのを忘れないでくださいね。
初心者向けミニトマトの育て方:収穫
収穫の目安は、実がしっかりと赤く色づいたころ。
黄色やオレンジの品種なら、それぞれの完熟した色に変わったタイミングが、1番美味しいタイミングです。
仮に、実がついたまま長く放置してしまうと株に負担がかかってしまうので、こまめに収穫するのも忘れないでくださいね。
ミニトマトは、手でやさしくひねっても簡単に収穫できますが、実(み)がたくさんあるときは小さなハサミを使って収穫すると便利です。
初心者向けミニトマトの育て方:葉かき
ミニトマトが実をつけ始めたら、株のメンテナンスも同時に行っていきます。
トマトは、収穫した実より下にある古い葉っぱを残しておくと、余計な養分を奪っていくだけでなく、風通しも悪くなり病害虫の温床になることがあります。
そのため、房に付いている実を全て収穫したら、その下にある葉っぱはすべて取り除く「葉かき」を行いましょう。
古い葉っぱを取り除いてあげる事で、上にある新しい葉っぱや実に次々と栄養が運ばれ、株が若々しさを保ち、結果的に長く収穫を楽しむ事ができます。
まとめ
今回は、ミニトマトの苗の選び方~植え付け、収穫までのポイントを解説してきました。
ミニトマトは、ひとつひとつの作業は難しいわけではありませんが、水やりやわき芽かき、肥料の加減など、ちょっとしたコツを押さえるだけで、実のつき方や甘さが大きく変わってきます。
自分の手で育てたミニトマトは、スーパーで買うものよりも断然美味しく感じられますよ。
手間ひまかけた分だけ、実(みの)りの喜びもぐっと大きくなります。
プランターひとつからでも、立派な家庭菜園は始められます。この春は、ぜひミニトマト栽培にチャレンジしてみてください。
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