夏になると、刈っても刈っても雑草が出てくるよ。袋へ詰めて捨てるのも大変だな……。
その雑草、捨てずに堆肥へ変えられるよ。米ぬかと土を使えば、家庭菜園の土づくりに再利用できるんだ。
夏の畑仕事で大変なのが、次々に生えてくる雑草の管理です。
草を刈るだけでも一苦労なのに、その後は集めて袋へ詰め、ゴミとして処分しなければなりません。「この大量の草を、何かに使えないかな?」と思ったことはありませんか?
実は、庭や畑で刈った雑草は、きちんと発酵・分解させれば家庭菜園の土づくりに使える雑草堆肥へ変えられます。
材料は、主に雑草・米ぬか・水・土。特別な機械がなくても始められます。
ただし、刈った草をそのまま積んでおけば、すべて安全な堆肥になるわけではありません。種が付いた草や病気が疑われる草を入れたり、水分が多い状態で放置したりすると、雑草の種や病気を畑へ戻す原因になることがあります。
この記事では、初心者さんでも迷わないように、入れる雑草の選び方、積み上げ方、切り返し、完成の見分け方を順番に解説します。
動画で雑草堆肥の作り方を見る
雑草を捨てずに堆肥へ変える作り方を、動画でも分かりやすく解説しています。
雑草の選び方、米ぬかと水の重ね方、土のかぶせ方、切り返し、完成の見分け方を実物を見ながら確認できます。
まず結論|雑草堆肥は5つの手順で作れる
- 種や病気がない雑草を集め、10cmほどに細かくする
- 雑草・米ぬか・水を3~4回に分けて重ねる
- 上から土をかぶせる
- 1か月に1回ほど切り返し、空気を入れる
- 草の形と臭いを確認し、約半年を目安に完成を判断する
一番大切なのは、種付き・病気の草を入れないことと、水分を多くしすぎないことです。
完成までの期間は、気温、雑草の種類、山の大きさ、水分、切り返し回数によって変わります。「半年たったから完成」と決めず、草の形や臭いも一緒に確認しましょう。
堆肥と肥料の違い|雑草堆肥は土づくりの材料
「そもそも、堆肥と肥料は何が違うの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
肥料は、野菜が育つために必要な窒素・リン酸・カリウムなどの養分を補うものです。
一方、堆肥は、土へ有機物を補い、微生物が働きやすい環境や、水はけ・水持ちのバランスを整えるために使います。
簡単にいうと、肥料は野菜の栄養、堆肥は野菜が育つ土を整える材料です。
雑草堆肥は植物を材料にした堆肥なので、牛ふんや鶏ふんなどの動物質の資材と比べると、一般的に肥料としての効き方は穏やかです。
そのため、雑草堆肥だけで全ての栄養を補おうとせず、育てる野菜や土の状態に合わせて、必要な肥料を併用してください。
雑草堆肥は「強い肥料」というより、ふかふかの土を目指すための材料と考えると使いやすいよ。
雑草堆肥を作る3つのメリット
1.草ゴミを減らせる
草刈りのたびに大量の雑草が出ると、集めて運ぶだけでも大変です。
雑草堆肥を作れば、刈った草をゴミとして捨てず、家庭菜園の中で再利用できます。ゴミ袋へ詰める量や、処分場所まで運ぶ回数を減らせることも大きなメリットです。

2.堆肥代を節約できる
市販の堆肥は便利ですが、畑が広いほど必要な量も増えます。
庭や畑の雑草を材料にすれば、身近なものを使って土づくりの材料を作れます。雑草堆肥だけで肥料が不要になるわけではありませんが、購入する堆肥の量を減らせる可能性があります。
3.草刈りが土づくりにつながる
せっかく刈った雑草を捨てるだけだと、草刈りが終わりのない作業に感じますよね。
でも、その雑草が半年後に土づくりへ使えるようになると、草刈りが「堆肥の材料集め」に変わります。
雑草を集める作業が、来年の土づくりにつながると思うと少し楽しくなりそう!
雑草堆肥に必要な材料と道具

必要な材料
- 雑草
- 米ぬか
- 水
- 畑やプランターの土
米ぬかは、微生物の働きと発酵を助けるために使います。手に入らない場合は、油かすを少量使う方法もあります。
土は、土の中にいる微生物を雑草の山へ加えるために使います。畑や、野菜を育て終わったプランターの土で構いません。
用意すると便利な道具
- 草を細かくする剪定ばさみや鎌
- 水をかけるじょうろ
- 雑草を積む囲いや堆肥枠
- 切り返しに使うスコップやフォーク
- 雨よけに使うシート

雑草の量が少なければ、小さな囲いから始めても大丈夫です。ただし、道路や隣家へ水や臭いが流れない場所を選びましょう。
雑草堆肥に入れない方がよいもの
雑草なら何でも入れてよいわけではありません。

家庭で作る小さな堆肥の山は、雑草の種や病原体を死滅させるほどの高温を、山全体で安定して維持できないことがあります。
次のようなものは、無理に入れない方が安心です。
- 花が終わり、種が付いている雑草
- 病気が疑われる葉や茎
- 除草剤を使用した直後の草
- スギナ・ヨモギ・チガヤなどの地下茎
- 木の枝や太くて硬い根
- 油分が多く、分解に時間がかかる針葉樹の葉
特に種付きの雑草は、堆肥の中で種が残ると、完成した堆肥をまいた場所から再び発芽することがあります。
病気が疑われる草も、家庭の堆肥へは入れず、地域のルールに従って処分してください。
野菜の茎や根も一緒に処理したい方は、次の記事も先に確認しておくと安心です。
迷ったら、種がなく、病気の症状もない若い雑草だけを使うと失敗しにくいよ。
雑草の種類は混ぜた方がよい?
雑草は、大きく分けると、細長い葉を持つイネ科の草と、葉の幅が広い広葉雑草があります。
イネ科の雑草は繊維が丈夫で、分解に時間がかかる傾向があります。一方、若く柔らかい広葉雑草は、比較的分解が進みやすい素材です。
イネ科の草だけを大量に積むより、柔らかい広葉雑草や落ち葉も適度に混ぜると、素材の偏りを抑えやすくなります。
ただし、落ち葉ばかりになると腐葉土に近い性質になるため、今回の雑草堆肥では、刈った草を中心に使いましょう。
雑草堆肥の作り方① 雑草を10cmほどに切る
最初に、種や病気がない雑草を集めます。
長い草をそのまま積むと、草同士が絡まり、切り返しにくくなります。太い茎や長い葉は、10cmほどの長さを目安に切ってください。
細かくすることで微生物が触れる面が増え、分解が進みやすくなります。
このとき、木の枝、硬い根、スギナなどの地下茎が混ざっていたら取り除きます。
雑草堆肥の作り方② 米ぬかと水を重ねる
細かくした雑草を、堆肥を作る場所へ積みます。
一度に全て積まず、次の順番を3~4回ほど繰り返すと、米ぬかと水分を全体へ行き渡らせやすくなります。
- 雑草を広げる
- 米ぬかを薄くまく
- じょうろで水をかける
- 足で踏み、草の山をまとめる

水は、雑草全体が湿る程度にします。底から水が流れ出るほどかける必要はありません。
水分が少なすぎると分解が進みにくくなりますが、多すぎると山の中の空気が減り、発酵ではなく腐敗へ傾きやすくなります。
握るとまとまり、強く握っても水がポタポタ落ちない程度を目安にしてください。
米ぬかを大量に一か所へ固めず、雑草の上へ薄く広げることもポイントです。
雑草堆肥の作り方③ 上から土をかぶせる
雑草と米ぬかを積み終えたら、上から土をかぶせます。
土の中にいる微生物を利用して、雑草の発酵と分解を進めるためです。
雑草が大きく見えなくなるように、10cmほどの厚さを目安に土をかぶせます。

ただし、土を強く押し固めすぎると、山の中へ空気が入りにくくなります。上から軽く覆うようにかぶせてください。
雑草堆肥の作り方④ 1か月に1回ほど切り返す
雑草を積んだ後は、1か月に1回ほどを目安に全体をかき混ぜます。この作業が「切り返し」です。
外側の草を内側へ、内側の草を外側へ動かしながら混ぜると、山全体へ空気が入り、分解の偏りを抑えられます。

切り返さず、水分が多い状態で放置すると、山の中の空気が不足して腐敗臭が出ることがあります。
強い嫌な臭いがするときは、まず全体をよく混ぜて空気を入れます。ベタベタしている場合は、乾いた落ち葉や乾燥させた草を少量加え、水分を調整してください。
雨が直接当たりにくい場所がおすすめ
屋根がある場所や、雨よけができる場所の方が、水分を管理しやすくなります。
雨ざらしでも作れますが、長雨で水分が増えすぎないように注意が必要です。シートをかぶせる場合は、完全に密閉せず、切り返しながら空気を入れましょう。
気温が低い時期は分解がゆっくりになります。夏と冬で同じ速さには進まないため、草の変化を見ながら待ってください。
嫌な腐敗臭がしたら、肥料不足より先に「水分が多すぎないか」「空気が足りないか」を確認しよう。
雑草堆肥はいつ完成?約半年後の見分け方
雑草堆肥が完成するまでの期間は、約半年が一つの目安です。
ただし、半年たったという期間だけで使い始めるのではなく、次の状態を確認してください。
完成に近い雑草堆肥
- 雑草の形がほとんど分からない
- 色が全体的に黒っぽくなっている
- 土に近い自然な臭いがする
- ベタつかず、ほぐれやすい
- 切り返しても大きく温度が上がらない
まだ分解途中の雑草堆肥
- 長い葉や茎の形がはっきり残っている
- 青い草や硬い根が多く残っている
- 強いカビ臭や腐敗臭がする
- 切り返すと再び熱くなる

雑草の分解途中に、白いカビのようなものが見えることがあります。有機物を分解する糸状菌などの場合もあるため、白い菌が出ただけで失敗とは限りません。
大切なのは、強い腐敗臭がなく、草の形が崩れ、土に近い状態へ変わっているかです。
完成が分かりにくい場合は、もう一度切り返し、数週間から1か月ほど様子を見てください。
雑草堆肥の使い方
完成した雑草堆肥は、野菜の種まきや苗の植え付け前に、土づくりの材料として混ぜる方法がおすすめです。

雑草堆肥は、すぐに強く効く肥料ではありません。土へ有機物を補い、時間をかけて土を整える資材として使います。
未熟な部分が残っていると、土の中で分解が続き、野菜の根を傷めることがあります。必ず、十分に分解されたものだけを使ってください。
初めて作った雑草堆肥は、一度に大量に入れず、少量から試すと安心です。育てる野菜や土の状態に合わせて、必要な元肥も別に施しましょう。
米ぬかを土づくりへ直接使う方法や注意点は、次の記事で詳しく確認できます。
まとめ|刈った雑草を、次の土づくりへ生かそう
雑草堆肥は、庭や畑で刈った草を捨てずに、家庭菜園の土づくりへ再利用できる方法です。
- 種や病気がない雑草を選ぶ
- 草は10cmほどに細かくする
- 雑草・米ぬか・水を3~4回に分けて重ねる
- 上から土をかぶせる
- 1か月に1回ほど切り返す
- 約半年を目安に、草の形・臭い・温度で完成を判断する
失敗を防ぐポイントは、水分を多くしすぎず、定期的に空気を入れることです。
刈った雑草がふわふわの堆肥へ変われば、草ゴミを減らしながら、次に育てる野菜の土づくりへつなげられます。
まずは、種の付いていない若い雑草を少量集めて始めてみよう。半年後の土づくりが楽しみになるよ♪
























