野菜を片付けようと抜いてみたら、根に小さなコブがたくさん。「この土で、次の野菜を育てても大丈夫?」と心配になりますよね。
ネコブセンチュウの被害が疑われるときは、肥料や土の再生材を足す前に、まず根を片付けましょう。その後は、プランターか畑か、次の植え付けまで時間があるかで、選ぶ方法が変わります。
この記事では、根のコブを見つけた後にすることと、自分の栽培場所に合った土の扱い方を紹介します。すべての対策を行う必要はありません。ご自分に合うところから確認してくださいね。
- プランターは、新しい土で再開する方法が取り組みやすいです。
- 畑で場所を替えられるなら、被害のない場所を選びましょう。
- 同じ畑を使うなら、次の野菜と植える時期に合う対策を選びます。
根にコブを見つけたら、まず根を片付ける
根がこんな形になっていたら、もう野菜を育てられないのかな?
すぐに諦めなくても大丈夫だよ。まずは根を確認して、次に育てる場所を考えようね。
根の途中に、でこぼこした膨らみがないか確認
ネコブセンチュウは、野菜の根に入り込む小さな生き物です。根の組織が膨らみ、いくつものコブになることがあります。
次の写真は、ミニトマトの根の症状例です。根の途中にある膨らみを見てみましょう。

細い根がなめらかに伸びるだけでなく、途中で何度も膨らんでいます。引用元でも、ネコブセンチュウが発生したミニトマトとして紹介されている写真です。
ただし、根のコブが、すべてネコブセンチュウとは限りません。 キャベツなどの「根こぶ病」や、マメ科の根にできる「根粒」は別のものです。見分けに迷ったら、野菜の名前と根の写真を用意すると、JAや地域の農業相談窓口で話が伝わりやすくなります。
根を集め、道具に付いた土も落とす
被害が疑われる根は、畑に埋め戻したり、自家製堆肥に混ぜたりせずに片付けます。
- 抜いた株の根と、土の中に残った目立つ根を集める。
- 持ち運ぶときに根や土がこぼれないよう、袋などにまとめる。
- スコップや長靴に付いた土を落とし、洗ってから別の場所で使う。

大切なのは、根や土を、ほかの栽培場所へ持ち込まないことです。道具を洗うときも、泥水を別の畝やプランターへ流さないようにします。根や株の処分は、お住まいの地域の分別に合わせてくださいね。
プランターと畑で、次にすることを選ぼう
根を片付けたら、今度は「次の野菜をどこで育てるか」を考えます。小さなプランターの土を替えることと、畑全体の土を替えることは、作業の大きさが違いますよね。

プランターなら、新しい土で再開する
次の野菜を早く育てたい方は、古い土を混ぜず、新しい培養土で始める方法が取り組みやすいです。被害が疑われる土の処理を待たず、次の栽培を別に進められます。
古い土を出し、容器の内側や底の穴に残った根・土をよく落として洗います。新しい容器を使う場合も、汚れた道具や古い土を持ち込まないようにしましょう。
土を一から配合するのが難しい方には、肥料入りの「花ちゃん培養土」がおすすめです。プランターの土容量に合わせて必要な袋数を選び、次の野菜の準備を進めましょう♪
手元の未使用の培養土や、近所で買える野菜用の培養土でも大丈夫です。

「もったいないから、少しだけ古い土を足そうかな」と思うかもしれません。でも今回は、傷んでいない土をいつもの方法で再生する場合とは分けて考えます。
古い土は庭や空き地へ広げず、袋や容器でこぼれないように保管します。処分するなら、「市区町村名+園芸用土+処分」で地域の案内を確認しましょう。園芸土を収集しない地域では、販売店や専門業者への相談が必要な場合もあります。
畑の場所を替えられるなら、被害のない場所へ
別の畝を使える場合は、これまで同じ被害が出ていない場所で次の野菜を育てる方法があります。元の畝の土を移したり、土付きの根をそのまま運んだりしないことがポイントです。
場所を替えたからといって、元の畝のセンチュウがいなくなるわけではありません。元の場所は根や雑草を片付け、次に使うまでの期間で対策を考えましょう。
また、「ピーマンの次は別の科にすれば、必ず大丈夫」とは言い切れません。ネコブセンチュウは多くの野菜に寄生するため、野菜選びと土の対策は両方必要です。
同じ畑を使いたいなら、植え付け日から考える
畑が一か所しかない場合は、次に育てる野菜と、植えたい時期を先に決めます。「来月植えたい」のか、「来年まで待てる」のかで、無理なく選べる方法が違うからです。
秋野菜を植えたいけど、長く待てないときはどうするの?
その畑で使える対策を確認しよう。間に合わないときは、新しい土のプランターで育てる方法もあるよ。
同じ畑を使いたいときのネコブセンチュウ対策
ここでは「いつ取り組めるか」で、3つの方法を見ていきましょう。
植え付けまで日が近い:適用のある薬剤を検討
センチュウ対策に使える農薬もあります。ただし、野菜の種類、まく時期、土への混ぜ方などが製品ごとに違います。「センチュウ用」という名前だけで選ばないようにしましょう。
購入前に、次の3つを販売店やJAへ伝えると、候補を絞りやすくなります。
- 次に育てる野菜と、植えたい日。
- 処理したい畑の広さ。
- コブができた野菜の名前と、根の写真。
候補が決まったら、ラベルで使える野菜・対象害虫・使用量・使用時期を照合します。薬剤の量は、ひとつかみで決めずに量ることが大切です。手袋やマスクなども、その製品の指定に合わせます。
方法によっては、植え付け前に必要な期間があります。予定に合わない場合は、無理に日にちを縮めず、植える場所か時期を変えましょう。
同じ畑で大根やニンジンを育てたい方には、種まき前の土へ混ぜて使う「石原ネマトリンエース粒剤」が候補になります。次に育てる野菜に使えるかを確認して選びましょう。
間引き菜・つまみ菜には使えません。2kgは数鉢には量が多いため、畑向けの候補です。
暑い夏に時間が取れる:太陽熱を利用する
「太陽熱消毒」は、湿った土を透明のフィルムで覆い、夏の日差しで土を温める方法です。

家庭菜園では、梅雨明け後の暑い時期に、約1か月が一つの目安です。日当たりや天候で土の温まり方が変わるので、日数だけで処理できたとは判断しません。
- 根や雑草を取り除き、土を耕して平らにする。
- 土を十分に湿らせ、透明のフィルムで覆う。
- 端を土などで押さえ、高温期に約1か月を目安に続ける。
- フィルムを外し、地温が下がってから次の栽培へ進む。
処理後に深く掘り返すと、十分に温まらなかった下の土を混ぜてしまいます。植え付け時の深い耕し直しは控えましょう。秋に根のコブを見つけた方は、翌夏の対策として計画する方法です。
暖かい時期に畑を休ませられる:対抗植物を育てる
対抗植物とは、育てることで特定のセンチュウを減らす働きがある植物です。緑肥用のマリーゴールドなどが使われます。

大切なのは、対象のセンチュウに合う品種を、必要な期間育てること。今回紹介するアフリカントールは、種袋の目安では暖かい地域で4~6月、寒い地域で5~6月にまきます。必要な栽培日数は品種の説明で確認します。
畑へ種をまいて育て、必要な期間を経てから刈り、土に混ぜます。これを「すき込み」といいます。すき込んだ直後に次を植えるのではなく、分解を待つ期間も含めて予定を組みましょう。
暖かい時期に畑を休ませて対策したい方には、「アフリカントール」の種も候補になります。畑でじっくり育て、次の野菜づくりにつなげましょう。
次の野菜だけでなく、土を整える期間も予定に入れておきましょう。
米ぬかや石灰を混ぜるだけで対策できる?
米ぬか・土の再生材だけで済ませない
「身近なものを混ぜるだけなら簡単」と思いますよね。ただ、米ぬかや再生材を少し混ぜただけで、駆除できたとは考えないようにしましょう。
米ぬかなどを使う土壌消毒の技術には、温度、水分、被覆などの条件があります。普段の土づくりで米ぬかを足す作業とは違います。次の栽培を急ぐなら、まず新しい土や別の場所を使えるか考える方が、手順を決めやすいです。
苦土石灰と石灰窒素は別のもの
普段の酸度調整に使う苦土石灰をまけば、ネコブセンチュウ対策も終わる、というわけではありません。
一方、石灰窒素にはセンチュウ類への農薬登録を持つものがあります。同じ「石灰」という言葉でも、成分と使い方が違います。苦土石灰と石灰窒素を置き換えて使わないでくださいね。
熱湯をかければよい?
やかんのお湯を土の表面へかけるだけでは、根が伸びる深さまで十分に処理できるとは限りません。農業で行う熱水消毒は、設備を使って土中まで熱を届ける方法です。
やけどの危険もあるため、家庭での手軽な代用法にはしません。プランターの方は新しい土への交換、畑の方は時期に合う方法を選びましょう。
次の野菜を植える前に確認すること
次の種や苗を用意する前に、最後の確認です。

- 根や古い土が、次の栽培場所へ混ざらない状態になっている。
- 選んだ方法に必要な期間を取り、薬剤なら使用条件も確認した。
- 土の温度などを整え、次の野菜を植えられる状態になっている。
ネコブセンチュウ対策は、「何を混ぜたか」だけでなく、次の野菜を育てられる準備まで終えることが大切です。
被害のなかった場所でも同じ野菜を続ける場合は、輪作の考え方も役立ちます。連作障害全体の基本はこちらで紹介しています。
連作障害とは?原因・症状・対策を初心者向けに解説|同じ科と輪作の基本ピーマンを片付けた後、次に育てる野菜を考えている方はこちらもどうぞ。被害があった土は、先に今回の対策を進めてくださいね。
ピーマンの後作におすすめの野菜9選!収穫後に避けたい野菜と連作障害対策についてまとめ|まずは根の片付けと、次の栽培場所から
根のコブを見つけても、その場ですべての対策を決めなくて大丈夫です。
まず根を片付け、プランターなら新しい土、畑なら別の場所を使えるか見てみましょう。同じ畑を使う場合は、植えたい野菜と時期に合わせて方法を選びます。
できる片付けから始めて、次の野菜を育てる準備を進めていきましょう♪
参考資料
- JA東京みどり:作物に有害な土壌センチュウとその対策
- みんなの農業広場:夏季の高温を活用した太陽熱土壌消毒
- タキイ種苗:フレンチマリーゴールド(緑肥用)
- タキイネット通販:プランター用土の再利用
- 日本石灰窒素工業会:農薬登録内容
- 農研機構:小型ボイラーを用いた熱水による土壌病害虫防除
- 朝霞市:園芸用土の処分・再生方法
- 石原バイオサイエンス:石原ネマトリンエース粒剤(使える野菜・使用条件)
























