イチゴ育ててるんだけど、冬になると寒くて枯れそうで心配だな…
安心して。実はイチゴってとっても寒さに強い植物なの
イチゴを育てていると、冬の管理方法に悩まれる方もおおかもしれません。
でも実はイチゴは雪の下でも普通に越冬できるくらい寒さに強い植物なんです。
むしろ冬の管理を上手に行うと、春に大粒で甘いイチゴが収穫できるようになりますよ。
今回はイチゴを安心して冬越しさせる管理方法を、初心者の方にもわかりやすくお伝えします！
大事なのはやるべきことと、やってはいけないことをきちんと知ることです。
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イチゴは寒さに強い作物｜枯れない理由と「ロゼット化」
イチゴは冬の寒さで弱るどころか、寒さに適応しながら春の準備をする植物です。
イチゴが寒さに強い理由
- 最低 −15〜−20℃でも枯れないほど耐寒性が高い
- 寒さに備えて葉が地面に沿うように広がる（ロゼット化）
- 葉が黄色や赤に紅葉するのは正常な生理現象
冬のイチゴはホルモンの働きによって、葉が地面にひれ伏すように変化していきます。これをロゼット化と言います。
夏のイチゴは草丈30cmほどにもなるので、葉が病気で枯れてしまったのかと驚くかもしれません。ロゼット化は耐寒性を高めるための自然な現象なので安心してくださいね。
ロゼット化することによって、イチゴはマイナス10℃になっても枯れることはありません。
急な温度変化だけはNG｜枯らす最大の原因
イチゴは寒さには強いのですが、弱点があります。
それが急激な温度差です。
人間でも、秋から冬にかけて徐々に気温が下がっていけば、体が順応していきますよね。
イチゴも同じです。鉢やプランターがもともと外にあり、気温が徐々に下がっているなら寒い冬が来ても問題ありません。
でも、急な温度変化には対応できず枯れてしまうことも。
よくある失敗例
- 室内(ビニールハウスなど)で育てていた苗を冬に突然外へ出す
- 昼は暖かい部屋、夜は外へという管理
これはイチゴの環境調整が追いつかず、枯れる原因になります。
正しい環境管理
- 初めから外で管理し続ける（自然に順応する）
- どうしても室内に入れるときは数日かけて慣らす
- 室温と外気温の差を大きくしない
正しい環境管理をしてあげれば1月や2月の寒い時期でも、枯れずに育てることができますよ。
葉の色が変わるのは正常｜紅葉した葉は取らない
元々イチゴの葉は緑色をしていますが、寒くなってくるとある変化が起こります。
それは色の変化です。イチゴの葉は
- 黄色
- 赤色
- 紫がかった色
に変化しますが、これは病気ではなく身を守るための大事な変化なのです。
イチゴの葉の変化はもみじなどと同じ「紅葉」で、光合成できなくなっています。
光合成できない葉なら、取ってもいいかな？
取ったらダメだよ。枯れた葉は冬越しのために重要な役割があるのよ
やってはいけないこと
- 色が変わった葉を全部むしり取る
紅葉した葉には、イチゴの株を寒さから守る役割があります。
特に、成長点のクラウン部分の風よけとして寒さや乾燥を防いでくれるのです。
取るべき葉
反対に取ってしまった方が良い葉もあります。
- 触ってパリパリに乾燥している
- 茶色く枯れきった葉
こうした葉は根本からハサミでカットして取り除いてあげるといいでしょう。
雪は味方｜保温効果で凍結を防ぐ
さすがに雪が降ってきたら、イチゴが凍ってしまうんじゃないかな？
大丈夫よ。雪には断熱効果があるから、逆に凍結しにくいの
寒い地方だと、雪が降ってくることもありますよね。イチゴの上に雪がどんどんと降り積もると寒さや重さで枯れてしまうのでは？と思いますよね。
でも大丈夫。雪遊びのひとつかまくらをイメージしてください。
かまくらの中は意外と暖かいですよね。これと同じように雪に覆われていた方が根の温度が安定し、凍結しにくいのです。
実際、積雪地帯の農家は雪下越冬で普通に栽培します。
対策ポイント
- 雪が積もっても落とす必要なし
- 凍ったら触らない（溶けるときに折れるため）
水管理が冬越しの分かれ目｜乾燥させると失敗
冬のイチゴは光合成をほとんどしないため、水をあまり吸いません。
ですが、土が乾ききってしまうと、どんなに寒さに強いイチゴでも枯れてしまいます。
夏場と同じような水やりの頻度は、水分過多で根腐れの原因になりますが、土がカラカラにならないようにチェックしてあげましょうね。
水やりの基本
冬のイチゴの水やりの基本は、土が完全に乾かないようにすること。
状況ごとにちょうど良い水の量をまとめました。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 雨・雪がある | 水やり不要 |
| 表面が完全に乾いたら | 朝に軽く潅水 |
| 霜柱で浮いた場合 | そっと押さえるだけ、水は与えない |
水やりNGポイント
土を乾燥させないことも大事ですが、根腐れにも注意が必要です。
- 毎日与える
- 夕方に水を与える（凍って根が傷む）
ポイントは頻度ではなく、状態確認です。
冬に肥料は不要｜追肥のタイミングを間違えると枯れる
休眠中のイチゴは栄養をほとんど吸収しないため、肥料を与えても意味がありません。
追肥の次のタイミングは翌年の春先です。
肥料の正解スケジュール
- 10月：秋の追肥（気温が下がり始めるまでに済ませる）
- 11〜1月：追肥不要
- 2月下旬〜3月：再スタート用に追肥
11月〜12月に肥料を与えると
- 根がダメージ
- 冬の耐寒力低下
- 最悪枯死
など、せっかく育てたイチゴにダメージを与えてしまいます。
2月下旬～3月の春先に追肥することで、成長が一気に加速し、花つきや実つきが格段に良くなります。
イチゴの休眠と目覚め｜実は冬に一度覚醒している
さて、ここまで冬のイチゴの管理方法をお伝えしてきましたが、冬のイチゴはぐっすり休眠状態になっているのでしょうか？
冬のイチゴの体内サイクルを確認してみましょう。
| 時期 | 状態 |
|---|---|
| 10月 | 休眠開始 |
| 11月 | 一度覚醒（ただし気温が低く動けない） |
| 春先 | 気温上昇で生育スイッチON |
そう。実はイチゴは11月中旬ごろにはいったん休眠から覚める状態になっているのす。
休眠からは覚めていても、外が寒いので、イチゴはロゼット化をしたまま、動きたくても動けない状態で冬を越します。
農家はこの性質を利用し、長く収穫する方法をとります。
11月以降に暖房機やビニールハウスを使って最低気温を8℃以上にキープし、日照時間を延ばしてあげます。
すると、11月から翌年の4月頃まで“半休眠”のような状態を保ちながら、長く収穫をすることができるのです。
とはいえ、この方法は費用も、手間もかかります。
家庭菜園では自然のまま冬越しするのが一番失敗しない方法です。
まとめ｜冬越しを制する者がイチゴ栽培を制する
冬管理の3大ポイント
- 急激な温度差を与えない
- 水管理は「少なく・慎重に」
- 紅葉した葉を防寒と考えて残す
冬でも安心ポイント
- −15℃でも枯れない耐寒性
- 雪は逆に保温
- 肥料は不要、春前に再開
冬を正しく過ごしたイチゴは春に一気に花を咲かせ、実も大きく甘くなります
家庭菜園だからこそ、冬の手入れを丁寧にして、春のイチゴ収穫が楽しみしましょうね。
