キャベツを採り終えた畑やプランター。「せっかく空いたのだから、次も何か育てたいな」と思いますよね。
でも、またキャベツを植えてよいのか、大根やレタスならよいのか。いろいろな野菜が思い浮かんでも、この場所に合うものとなると迷ってしまいます。
キャベツが育った土だから、次の野菜もそのまま育つのかな?何を植えたらいいんだろう?
次の栽培にも使えるよ。ただ、残った根を片付けて、次の野菜に合う土に整えよう。野菜を選ぶ時にも、知っておくと失敗を減らせるポイントがあるんだ。
春にキャベツを片付けるならミニトマトや枝豆、涼しい時期ならリーフレタスやほうれん草、秋の植え付けに間に合うなら玉ねぎが候補です。
ここで大切なのは、名前を覚えることだけではありません。なぜその野菜なら候補になるのかが分かると、自分の畑やプランターに合うものを選べます。まずは、キャベツを育てた場所で次の野菜を選ぶ理由から、一緒に見ていきましょう。
キャベツの後は、なぜ植える野菜を選ぶ必要があるの?
キャベツの株を抜くと、地面は空いたように見えます。でも土の中には、残った根や、栽培中に発生した病気の原因などが残っていることがあります。肥料も、使われた分と残っている分があります。
つまり、収穫が終わっても、土が栽培前の状態に戻るわけではないのです。
「違う仲間を植える」と、どんな良いことがある?
たとえば、キャベツや白菜、ブロッコリーに発生する根こぶ病は、根にこぶができ、水や養分を吸いにくくなる病気です。原因となる病原体が土に残っていると、次に植えた同じ仲間の野菜も感染することがあります。
一方、レタスやトマトは、この病気に感染する野菜の仲間ではありません。こうした別の仲間へ替えることは、キャベツと共通する病気を、次の野菜へ繰り返さないための工夫になります。
この野菜の仲間を「科」と呼び、キャベツはアブラナ科、レタスはキク科、トマトはナス科に分けられます。「違う科を選ぶ」とは、難しい名前を覚えるためではなく、同じ病気を受けやすい野菜を続けないためなのです。
ただし、病気にはいろいろな野菜に感染するものもあります。野菜を替えただけで土を消毒できるわけではありません。前のキャベツが途中で枯れたり、根が傷んでいたりした場合の準備は、後半で説明します。
相性だけでなく、植える時期も合わせよう
キャベツとは違う仲間でも、冬の寒い屋外へトマトを植えれば元気には育ちません。反対に、暑さが苦手な葉物を真夏に始めると、芽が出にくかったり、早く花を付けたりします。
後作選びは、同じ病気を繰り返しにくい仲間へ替え、その野菜が育つ季節につなぐこと。この二つがそろって、次の収穫へ進みやすくなります。
- 春に片付け、夏の間じっくり育てたい:ミニトマト
- 暖かい時期に育て、収穫後は次の野菜へ替えたい:枝豆
- 春や秋に、今度も葉物を少しずつ採りたい:リーフレタス
- 秋に種から葉物を育てたい:ほうれん草
- 秋の植え付けに間に合い、翌春まで場所を使える:玉ねぎ
地域によって適期が違うため、以下は普通の屋外栽培で候補を選ぶ目安です。食べたい野菜を見つけたら、種袋や苗の地域別カレンダーと、自分のキャベツの片付け時期を合わせてみてくださいね。
キャベツの後作におすすめの野菜|自分に合うのはどれ?
ミニトマト|春のキャベツから夏野菜へつなぎたい時に
春にキャベツを収穫し、夏の間はその場所を使える方には、ミニトマトがおすすめです。春の片付けと、暖かくなってからの苗の植え付けをつなげられ、夏には実の収穫を楽しめます。

キャベツからトマトへ替えると、アブラナ科からナス科へ交代します。同じ仲間を続けずに、空いた場所を夏野菜へ使える組み合わせです。トマトを植えるとキャベツの土が特別に良くなるという意味ではなく、病気のつながりと作期を考えた選び方になります。
初めてなら、種から苗を育てるより、元気な苗を買って植えると始めやすいですよ。霜の心配がなくなってから植えるため、キャベツを早く採れた場合は、土を整えて暖かくなるのを待ちましょう。
ただ、実が小さいミニトマトでも、株は大きく育ちます。キャベツに掛けていた低い防虫ネットの中へ、そのまま植えて育てることはできません。ネットを片付け、日当たりのよい場所に支柱を立てられるかを確認します。プランターも、品種に必要な深さと土の量があるかを確かめましょう。
「夏の間、同じ株から少しずつ採りたい」「支柱を立てる場所と、水やりの時間を取れる」なら選びやすい候補です。短い期間で場所を空けたい方は、次の枝豆も比べてみてください。
枝豆|夏に収穫して、秋の野菜へ場所を渡したい時に
夏の間ずっと実を採り続けるより、食べ頃に収穫して、次の野菜へ切り替えたい方には枝豆が候補になります。枝豆は莢の豆がふくらんだ時期にまとめて収穫するので、その後の片付けを計画しやすい野菜です。

キャベツとは別のマメ科へ替えられるうえ、春から初夏の種まきに合う品種を選べます。秋に別の野菜を植えたい場合は、枝豆の収穫予定と、次の植え付け時期が重ならない品種を選ぶのがポイントです。晩生の品種では収穫が遅くなるため、枝豆ならどれでも同じとは考えないでください。
キャベツの後で特に気を付けたいのは、肥料の足し方です。枝豆は根に共生する根粒菌の働きで窒素を利用でき、窒素肥料が多すぎると葉や茎ばかりが茂って、莢の付きや太りが悪くなることがあります。
そのため、キャベツに与えた肥料が残っている場所へ、「次も大きく育てたいから」と同じ量を追加するのは避けます。前作の追肥や培養土の肥料の有無を確認し、枝豆の栽培説明に合わせて控えめに準備しましょう。
これは「枝豆を植えると、疲れた土が必ず回復する」という意味ではありません。残った肥料を考えて、足しすぎずに次の栽培へつなげることが大切です。花が咲いてから莢が太る時期は水も必要なので、プランターでは乾きすぎないように見てあげましょう。
リーフレタス|キャベツの後も、葉物を育てたい時に
「今度も葉物がいいけれど、小松菜や白菜は避けた方がいいの?」という方には、リーフレタスが選びやすい候補です。

キャベツもレタスも葉を食べますが、レタスはキク科です。葉物をあきらめずに、キャベツと同じアブラナ科の連作を避けられるところが、後作に選ぶ理由になります。
春や秋の涼しい時期に場所が空くなら、その作期に合う苗から始めると取り組みやすいですよ。大きな支柱が必要なく、低い位置で管理できるので、キャベツを育てていた場所の高さに余裕がなくても選びやすい野菜です。容器の中には葉が広がる場所を残し、苗を詰め込みすぎないようにします。
キャベツで「なかなか玉が巻かない」と気をもんだ方にも、リーフレタスは向いています。丸い玉に仕上げなくても、株が育てば外側の葉を採れるからです。中心の葉を残して少しずつ収穫すれば、食べる分を摘む楽しみも続きます。
ただし、暑い時期は発芽しにくく、花を付ける茎も伸びやすくなります。夏にキャベツを片付けた場合は、秋の適期まで待つか、その時期に合う品種を選びましょう。また、レタスを植えれば土の病気や虫がいなくなるわけではないので、古い根や葉の片付けは必要です。
ほうれん草|秋に種をまいて、葉物を育てたい時に
キャベツを片付けた後、苗を買わずに種から葉物を育てたい方には、秋まきのほうれん草も候補です。ヒユ科なので、同じ葉物でもキャベツとは別の仲間へ替えられます。

リーフレタスを少しずつ葉を採って楽しむ選択とすれば、ほうれん草は育った株を順に収穫して使う選択です。広い場所を一度に埋めず、適期の範囲で種まきをずらすと、収穫も分けられます。
ここで、「キャベツが育った土なら、そのまま種をまけるのでは?」と思うかもしれません。ほうれん草は酸性の強い土が苦手で、芽が出ても葉が黄色くなったり、生育が止まったりすることがあります。前の野菜が育ったことと、次の野菜に土の条件が合うことは別なのです。
古い土を使うなら酸度計や測定キットで調べ、必要な時だけ石灰資材で調整します。難しく感じる方は、プランターを新しい野菜用培養土へ替えて始める方法もあります。調整済みの土には、理由なく石灰を追加しないでください。
秋が深まってからキャベツを採る場合は、ほうれん草の種まき適期に間に合うかも確認します。真冬は生育がゆっくりになるため、すぐに収穫したい人には向かない場合があります。
玉ねぎ|秋に片付けて、翌春まで育てられる時に
秋にキャベツを収穫し、「冬もこの場所を使いたい。収穫は来春でもいい」という方には玉ねぎが候補です。ヒガンバナ科で、キャベツと同じアブラナ科を続けずに育てられます。
一般地では、秋に苗を植え、冬を越して春から初夏に収穫する育て方が基本です。地域と品種の植え付け適期に間に合えば、キャベツを片付けた後の畑やプランターを、冬越し栽培へつなげられます。
初めてなら、地域に合う苗を購入すると、夏の終わりから苗を作る作業を省けます。ただし、秋に種をまく時期と、苗を植える時期は違います。キャベツの収穫後に苗の販売時期を迎えているなら、種まきからではなく苗から始めると考えましょう。

気を付けたいのは、春の場所の使い方です。玉ねぎを収穫する前に、同じプランターへトマトを植えたくなっても、まだ空きません。早く採れる品種でも地域で収穫時期が変わるので、次の夏野菜と両立させたい場合は、別の容器を用意するか、収穫予定を確かめて選びます。
玉ねぎは、短期間で収穫したい方へのおすすめではありません。冬を越す間も場所を使い、翌春の収穫を楽しみたい方に合う後作です。
「この野菜が一番」ではなく、ご自宅で育て始める時期と、いつまで場所を使えるかで選んでみてください。次の予定まで考えると、育てたい野菜が決めやすくなりますよ♪
季節ごとの野菜選びやお世話を手元で見返したい時は、ポコずの家庭菜園の本も役立ててください。
キャベツの後に避けたい野菜|見た目だけでは分からない仲間
おすすめを見たところで、今度は「育てたい野菜が候補にないけれど大丈夫?」も確認しておきましょう。
キャベツ・白菜・ブロッコリー・カリフラワー
この4つは同じアブラナ科です。キャベツが上手に育つと「同じ場所で、もう一度」と思いますが、同じ仲間の栽培を続けると、共通する病気の原因が土の中で増えやすくなります。
一度育ったから次も大丈夫とは限りませんし、次に必ず病気になるわけでもありません。被害が出てから困る前に、別の仲間へ替えるのが家庭菜園で取り入れやすい予防です。
またキャベツや白菜を育てたいなら、アブラナ科を続けていない別の場所へ移すか、プランターをきれいにして新しい培養土から始めましょう。
小松菜・水菜・チンゲンサイ
短い期間で採れる葉物なら、少しだけ育ててもよさそうに感じますよね。でも、この3つもキャベツと同じアブラナ科です。栽培が短くても、同じ仲間に感染する病気の影響を受ける可能性はあります。
キャベツに残っていた葉や株元を片付けずに種をまくと、そこにいた虫に新しい葉を食べられることもあります。「すぐ採れるから大丈夫」と考えず、同じ場所ならリーフレタスやほうれん草へ替えると選びやすいでしょう。
小松菜や水菜を育てられないわけではありません。別の容器と新しい土を使えば、育てたい葉物を選ぶ余地を残せます。
大根・カブ|根を食べる野菜も確認しよう
葉を食べるキャベツの次は、根を食べる野菜ならよさそうに見えます。しかし大根やカブもアブラナ科です。葉物か根菜かではなく、野菜の仲間で考える必要があります。

カブは根こぶ病などの影響を受けるため、同じ土で続けるのを避けます。大根には、品種によって根こぶ病にかかりにくく、専門的な輪作に利用されるものもあります。ただ、それを理由に「キャベツの後なら、どの大根でも大丈夫」とは判断できません。
初めての後作選びなら、大根も別の場所へ分けておくと判断しやすいですよ。育てる場所では、古い太い根や固い土の塊を取り除き、新しい根が伸びられるように準備します。
同じプランターの土は使える?植える前にすること
野菜が決まると、今度は「土を全部買い替えないといけないの?」が気になりますよね。元気に収穫できたキャベツの土は、状態を見て整えれば再利用できます。プランター本体も、毎回買い直す必要はありません。
元気に育った株なら、根を取り除いて土を整える
次の野菜へ替える時は、キャベツの株を抜き、残った太い根と落ち葉を取り除きます。根が詰まったままでは新しい根が伸びる場所を狭め、プランターの底穴もふさぎやすくなります。

土をほぐし、底穴が通っているかを確かめます。減った土を補う場合や再生材を混ぜる場合は、使う製品の説明に従いましょう。肥料入りの資材なら、さらに元肥を重ねすぎないようにします。
土を再利用する作業と、次の野菜に必要な肥料を用意する作業は分けて考えます。根を片付けただけで養分が戻るわけではなく、肥料を足しただけで水はけが直るわけでもありません。
畑も同じです。古い根や葉を取り、固い土をほぐします。雨の後に水がたまり続ける場所なら、畝を高くするなど、排水を改善してから次の栽培へ進みましょう。
枯れた・根がおかしかった時は、肥料を足す前に確認する
途中で急に枯れた、根が腐った、不自然なこぶが付いていた場合は、土に病気の原因が残っている可能性があります。こぶだけで病名を決めることはできません。
株と根の写真を残し、地域の園芸相談窓口などで原因を確認します。その間、疑わしい土を別の畑やプランターへ混ぜないようにしましょう。新しい土を少し足して薄めるだけでは、解決できません。
先に次の栽培を始めたい方は、きれいな別の容器と、新しい野菜用培養土を使えます。畑なら被害のない場所を使い、異常のあった区画は原因に合う対策をしてから利用しましょう。
新しい土に替えたら、同じアブラナ科も育てられる?
プランターをきれいにし、古い土や根を残さず新しい培養土へ替えれば、同じ土でアブラナ科を続ける場合とは条件が変わります。栽培適期なら、またキャベツなどを育てる選択肢もあります。
ただし、近くに残した古い株の害虫などが移ることはあります。土を替えたら防虫対策まで不要になるわけではありません。同じ土を使うなら野菜の仲間を替える、新しい土を使うなら育てたい野菜に合わせて始めると整理すると分かりやすいですよ。
次もキャベツを選ぶ方は、苗の植え付けからお世話を確認してみてください。
キャベツの育て方!初心者でもプランターで大きな玉を収穫するコツ♪種まき・植え付けから収穫まで株を抜く前に|まだキャベツを採りたい場合は?
「次の野菜もいいけれど、もう少しキャベツを採れたらうれしい」という方には、収穫後の株を残して脇芽を育てる方法もあります。元気な外葉と株元が残っている株なら、追加収穫を楽しめる場合があります。
これは別の野菜へ交代する後作とは違い、同じ株を引き続き育てる方法です。その間は場所が空かないので、次の野菜の植え付け時期に間に合うかを考えて選びましょう。
残す葉と株元、芽が伸びてからのお世話を確認したい方はこちらへどうぞ。
キャベツの再生栽培!収穫後の株からもう一度収穫を楽しむ脇芽の育て方まとめ|次に育てる一つを選んでみよう
キャベツの後作では、株を抜いた後も土に前の栽培の影響が残ることを知り、同じ病気を受けやすい野菜を続けないようにします。そのうえで、今から育つ季節と、自宅の場所に合うものを選びましょう。
春に夏野菜へつなぐならミニトマト、収穫後に次へ切り替えたいなら枝豆。涼しい時期に葉物を続けたいならリーフレタスやほうれん草、秋から翌春まで場所を使えるなら玉ねぎが候補です。
まずは一つ、食べたい野菜を決めて、種袋や苗の植え付け時期を確認してみてください。時期が合えば、キャベツの根を片付け、その野菜に合う土を準備すれば次の栽培へ進めます。
「違う仲間を選ぶのは、同じ病気を繰り返しにくくするため」と分かれば、野菜の名前だけを暗記しなくても選べます。今の季節とご自宅の予定に合わせて、次の収穫を楽しんでみてくださいね♪

























