台風が近づいていると、「プランターはどこへ移せばいい?」「支柱や防虫ネットは外した方がいいの?」と迷いますよね。
家庭菜園の台風対策で大切なのは、野菜を完全に無傷にすることではありません。風で飛ぶ物、倒れやすい株、水がたまりやすい場所を早めに確認し、被害と周囲への危険を減らすことです。
この記事では、台風が来る前に家庭菜園でやること7つを、プランターと畑に分けて解説します。通過後に確認する順番も紹介するので、慌てず一つずつ進めていきましょう。

台風が来る前に、何から片づければいいの?
まずは「飛ぶ・倒れる・水がたまる」の3つから確認しよう。風雨が強くなる前に終わらせることが一番大切だよ。
- 最新の気象情報を確認し、風雨が強くなる前に作業を終える
- 収穫できる実を取り、飛びそうな道具や鉢皿を片づける
- 支柱と誘引を点検し、移動できるプランターは風を受けにくい場所へ移す
- 鉢底穴や排水溝をふさがず、大雨の水が抜ける状態にする
- 通過後は安全を確認してから、排水・立て直し・傷み・潮風の順に見る

台風前は、野菜より先に安全を守る
家庭菜園が心配でも、暴風雨の中で畑やベランダへ出るのは危険です。気象庁や自治体の最新情報を確認し、風雨が強まる前の予報段階から、余裕を持って作業を始めましょう。
屋外作業は、風雨が強くなる前に終えることが最優先です。作業途中でも危険を感じたら中止し、野菜より人の安全を守ってください。
また、鉢や園芸用品が飛ぶと、自宅だけでなく近隣の家や通行人へ被害を与えるおそれがあります。株を守る作業と同時に、周囲へ飛ばさない対策も行いましょう。
台風が来る前に家庭菜園でやること7つ
1.収穫できる実を早めに収穫する
完熟に近いトマト、ナス、ピーマン、キュウリなど、収穫できる実は風雨が強くなる前に早めに収穫します。大きな実は風を受けると株を揺らし、枝折れや実の傷みにつながることがあります。
ただし、未熟な実をすべて取る必要はありません。収穫できる大きさや色になった実、重くなった実、枝先で揺れやすい実から優先しましょう。
収穫と一緒に、地面へ落ちた実や傷んだ実も片づけておくと、通過後の確認がしやすくなります。

2.飛びそうな道具・鉢皿・ラベルを片づける
ジョウロ、バケツ、空の植木鉢、鉢皿、園芸ラベル、余った支柱、スコップなど、軽くて飛びやすい物を屋内や物置へ片づけます。
普段は重く感じる物でも、強い風を受ける面積が広いと動くことがあります。ベランダでは、手すりに掛けた鉢やフック、園芸シート、すだれも確認してください。
「少し重いから大丈夫」と決めつけず、固定されていない物を一つずつ確認しましょう。
3.移動できるプランターを安全な場所へ移す
移動できるプランターは、風を正面から受けにくい壁際や、低く安定した場所へ寄せます。背の高い鉢は単独で置かず、低い鉢とまとめると倒れにくくなります。
ただし、次の場所はふさがないでください。
- 玄関やベランダの避難経路
- 雨水が流れる排水口
- 室外機の吸気口・吹き出し口
- 人がつまずきやすい通路
室内へ入れる場合は、受け皿を用意し、鉢底からの水漏れや虫の持ち込みも確認します。無理に重い鉢を持ち上げず、動かせない鉢は次の支柱・転倒対策を優先しましょう。
プランターは全部、室内へ入れた方がいいの?
全部でなくて大丈夫。背の高い鉢・軽い鉢から優先し、重い鉢は無理に運ばず、低い壁際へ寄せよう。
4.支柱・誘引・ネットを点検する
トマト、ナス、ピーマンなど背の高い野菜は、支柱がぐらついていないか、茎を結んだひもが外れそうになっていないか確認します。
株を固定する時は、茎をきつく縛りません。茎と支柱の間に少し余裕を残し、柔らかい園芸用ひもで支えます。一本の細い支柱だけで不安定な場合は、太い支柱を追加したり、複数の支柱を横方向につないだりして補強します。
防虫ネットや寒冷紗は、「必ず外す」「必ず残す」と一律には決められません。
- 簡単に外せて、風を大きく受けそうな物:早めに外して片づける
- 作物保護に必要で残す物:すそ、四隅、留め具の緩みを確認する
- 骨組みや固定が弱い物:倒れたり飛んだりしない方法を優先する
風が強くなってからネットを外そうとすると危険です。判断と作業は早めに行ってください。
防虫ネットは、外すのと残すのどちらが正解?
一律ではありません。風を受ける大きさと固定状態を見て、外せる不安定な物は片づけ、残す物はすそと四隅を確認しましょう。
5.低い野菜と若い苗を風から守る
定植したばかりの苗や茎の細い株は、強風で揺さぶられると根が傷みやすくなります。移動できるポット苗は風の当たりにくい場所へ移し、植え付け済みの苗は支柱や風よけを確認しましょう。
寒冷紗や不織布を使う場合は、資材そのものが飛ばない固定が前提です。株へ直接押しつけるのではなく、支柱やトンネルで空間を作り、すそをしっかり留めます。
固定に自信がない大きなシートは、かえって風を受けることがあります。設置状況に合わせ、外して安全な場所へ片づける判断も必要です。

6.排水穴・排水溝・畝を確認する
大雨の前は、水をためない準備も大切です。
プランターは鉢底穴や排水口から水が抜けるか確認します。鉢底穴が土や根でふさがっていないか、鉢皿に水がたまる状態になっていないかを見て、排水口の上へ鉢を置かず、雨水が流れる道を空けておきましょう。
畑では、排水溝の落ち葉やごみを取り除き、畝の間にたまった水が外へ流れるか確認します。水がたまりやすい場所では、風雨が強くなる前に浅い溝を整えておきます。
高い台や不安定なブロックへ鉢を載せて排水しようとすると、転倒の危険が増えます。排水と安定の両方を確認してください。
7.種まき・植え付け・追肥を急がない
台風直前の種まきや植え付けは延期を検討します。種や土が流れたり、植えたばかりの苗が倒れたり、根が傷んだりするおそれがあります。数日ずらせる作業なら、通過後に土の状態を確認してから行いましょう。
「雨が降るから肥料も入れておこう」と一律に追肥するのも避けます。大雨で肥料分が流れることがあり、根が弱った株へすぐ肥料を与えると負担になる場合もあります。
種まき、植え付け、追肥は、作物の適期と天候を見ながら判断してください。

プランター菜園の台風前チェック
プランター菜園では、鉢を移動できることが大きな利点です。一方で、鉢、受け皿、道具が飛散物にならないよう注意します。
- 風を受けにくい低い場所へ移動できるか
- 背の高い鉢が単独で置かれていないか
- 鉢皿、ラベル、ジョウロなど飛ぶ物が残っていないか
- 鉢底穴と排水口から水が抜けるか
- 支柱と誘引ひもに緩みがないか
- 避難経路や室外機をふさいでいないか
すべてを室内へ入れられない場合は、背の高い鉢と軽い鉢から優先します。重い鉢は無理に持ち上げず、壁際の低い場所へ寄せ、転倒しにくい状態を作りましょう。

畑の台風前チェック
畑では、プランターのように株を移動できません。排水、支柱、被覆資材の固定を中心に確認します。
- 収穫できる実を先に取ったか
- 支柱のぐらつきと誘引ひもの緩みを確認したか
- 防虫ネット、寒冷紗、マルチの端が浮いていないか
- 排水溝と畝の間に水の逃げ道があるか
- 若い苗を守る資材が、風で飛ばない状態か
- 空鉢、コンテナ、農具を畑に残していないか
広い畑を一度に完璧に対策しようとせず、「飛ぶ物を片づける」「倒れやすい株を支える」「水の出口を作る」の順で進めると確認しやすくなります。
台風が通過した後に確認する5項目

- 警報や危険が残る中で、見回りに出ない
- 倒れた株を、無理に真っすぐへ戻さない
- 水びたしの土へ、すぐ追肥しない
1.安全を確認してから見回る
雨や風が弱まっても、警報や避難情報が続いていることがあります。増水した水路、倒木、落下物、切れた電線などの危険がないことを確認してから外へ出てください。
屋根や高い場所の資材を直す作業は、足元と風が落ち着いてから行います。危険を感じる場所へは近づかず、必要に応じて自治体や専門窓口へ連絡しましょう。
2.冠水していたら、まず排水する
畑やプランターに水がたまっていたら、根が水へ浸かった状態を長引かせないよう排水を優先します。
排水口のごみを安全に取り除き、畝間の水が流れる道を確認します。ぬかるんだ畑へ無理に入り、根元を踏み固めないように注意してください。
排水後も土が水びたしなら、すぐ耕したり肥料を入れたりせず、土と根の回復を待ちます。
3.倒れた株をやさしく起こして支える
倒れた株は、根元や茎が折れていないか確認してから、ゆっくり起こします。茎だけを強く引っ張らず、株元を支えながら元の向きに近づけましょう。
完全に垂直へ戻そうとすると、残っている根を切ることがあります。無理のない角度で新しい支柱へ結び、数日間は葉のしおれや茎の変色を観察します。
倒れた株は、すぐ真っすぐに戻せばいいの?
急に引っ張らず、根元と茎を確認して、無理のない角度で支柱へ固定しましょう。
4.折れた茎葉と傷んだ部分を確認する
折れてぶら下がった枝、裂けた茎、傷んだ葉や実を確認します。切り取る場合は清潔なハサミを使い、病気の広がりや腐敗がないか数日間観察しましょう。
葉が傷んでいても、元気な葉まで一度に取りすぎないようにします。株全体の状態を見ながら、明らかに折れた部分や傷みが進んだ部分から整理してください。
薬剤を使う場合は、対象作物、対象病害、使用時期、希釈倍率、使用回数を商品ラベルで確認します。被害を見ただけで、種類や量を決めないでください。
5.潮風を受けた地域は真水で洗い流す
海岸に近い地域で潮風を受けた場合は、葉や茎へ塩分が付着することがあります。安全を確保したうえで、できるだけ早く真水でやさしく洗い流します。
すべての台風後に必要な作業ではありません。海に近い場所や、潮を含んだ強風が吹いた可能性がある地域で確認してください。
すぐ肥料を足す前に、根と土の状態を見る
台風後に株が弱っていると、「肥料を足せば元気になるかも」と考えやすいですが、まず排水と根の状態を確認します。
土が水びたしで根が弱っている時に濃い肥料を与えると、さらに負担になることがあります。新しい葉の動きや株の回復を見て、必要な場合だけ、作物と肥料の商品表示に合わせて追肥しましょう。
水やりも一律には行いません。雨で十分湿っている時は追加せず、表土と鉢の重さを見て判断します。
参考資料
- 農林水産省「露地野菜・花きの排水・倒伏対策を実施し、豪雨や台風襲来に備えましょう」
- JA全農 Apron「台風通過後の対処法を教えてください」
- JAあつぎ「台風の事前対策について」
- 大分県「台風対策マニュアル(野菜)」
台風前後の水やりや、傷みが大きい夏野菜を残すか迷った時は、次の記事も参考にしてください。
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台風が来る前は、収穫できる実を取り、飛びそうな物を片づけ、支柱・誘引・プランターの置き場所を確認します。大雨に備えて、鉢底穴や排水溝もふさがないようにしましょう。
通過後は、野菜より先に人の安全を確認します。その後、排水、倒れた株の立て直し、折れや傷み、必要な地域では潮風害の順に見ていきます。
全部を完璧に守ろうと焦らず、風雨が強くなる前にできる範囲で準備してください。
台風対策は、早めに「飛ぶ・倒れる・水がたまる」を確認するのがポイントです。危険になる前に作業を終えて、安全第一で備えていきましょう♪
























